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1. 試合基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | Barclays Women's Super League 2026-27 第7節 |
| 対戦カード | トッテナム・ホットスパー vs アーセナルウィメン |
| 日時 | 2026年10月24日(土)20:45 ※日本時間 |
| 会場 | Tottenham Hotspur Stadium |
| 配信 | U-NEXT |
2026-27シーズン最初のノースロンドンダービー。
現地時間10月24日(土)12時45分、アーセナルウィメンはTottenham Hotspur Stadiumでトッテナム・ホットスパーと対戦します。
日本ではWSLの放映パートナーであるU-NEXTでライブ配信が予定されています。U-NEXTでは日本語実況・解説付きの無料開放配信も予定されています。
2. この試合の位置づけ
アーセナルにとって、これ以上勝ち点を落とすことは避けたい重要なノースロンドンダービーです。
ここまでのWSLでは1勝3分2敗、勝ち点6で8位。開幕戦のブライトン戦以降、リーグ戦では5試合連続未勝利となっています。
前節バーミンガム・シティ戦でも75%以上のボール保持率と27本のシュートを記録しながら、枠内シュートは4本。オリヴィア・スミスのミドルシュートによる1得点にとどまり、1-1で引き分けました。
第6節終了時点でアーセナルは5得点。121本とリーグ3番目に多いシュートを放ちながら、シュート決定率4.1%はWSLワーストです。
対するトッテナムは3勝1分2敗の勝ち点10で4位。
開幕4試合を3勝1分と好スタートを切りましたが、その後はLondon City Lionessesに1-6、チェルシーに2-6と2試合連続で6失点を喫しています。
しかし攻撃力は高く、6試合で18得点。これはマンチェスター・シティの19得点に次ぐリーグ2位タイの数字です。一方で14失点と守備には大きな課題を抱えています。
つまり今回のダービーは、
「チャンスを作っても得点できないアーセナル」
と
「大量得点できる一方、大量失点もしているトッテナム」
という、対照的な課題を抱える両チームの対戦となります。
Optaによれば、WSLのノースロンドンダービーでトッテナムがアーセナルより上の順位で試合を迎えるのは今回が初めてです。
ダービーという意味だけでなく、アーセナルが今季の悪い流れを断ち切れるかという意味でも非常に重要な一戦です。
3. プレスカンファレンス
※以下のプレスカンファレンス内容は、Arsenal公式サイトに掲載された試合前会見をもとに、当ブログで日本語に要約・整理しています。
「ファンのために90分以上戦う」
スレガース監督は、今回のノースロンドンダービーへ向けて選手たちのモチベーションは非常に高いと語っています。
アーセナルのアウェイ席は完売。
リーグ戦5試合勝利がない状況でも多くのサポーターがチームを後押しするためにスタジアムへ駆けつけることについて、
「この試合では90分以上戦い抜かなければならない。そしてそれをファンのためにやらなければならない」
という考えを示しました。
現状については「我々が期待していたものでも、望んでいたものでもない」と認めながらも、まずは目の前のダービーに集中する姿勢を強調しています。
チームニュース
前節バーミンガム戦と基本的に同じメンバーが起用可能です。
ダフネ・ファン・ドムセラールは試合メンバーに復帰予定ですが、まだ出場できる状態ではなく、チームとのウォームアップに参加する予定です。
キム・リトルは体調不良から回復したものの、別の軽い問題を抱えており今回も欠場。
クロエ・ケリーもハムストリングの負傷から回復途中で、まだチームトレーニングには復帰していません。
ケイティ・リードはほぼ完全な形でチームトレーニングへ復帰。ミシェル・アジェマンも復帰へ向けてリハビリを続けています。
このほか、マリオナ・カルデンティ、フリーダ・マヌン、セリーナ・チェルチも引き続き欠場予定です。
攻撃を「より速く、予測不能に」
今季のアーセナルはボールを保持しながらも攻撃に時間がかかり、相手に守備ブロックを整えられてしまうことが課題となっています。
スレガース監督も攻撃のスピードについて、
「より速くプレーすることは間違いなく取り組んできたこと」
と説明。
昨季からローブロックやコンパクトな守備を相手にする機会が多いため、攻撃を加速させるタイミングを見つけ、より予測しにくい攻撃を作ることに取り組んでいるとしています。
前節バーミンガム戦でも攻撃のテンポ不足が課題となっただけに、今回のダービーでその成果が見られるかに注目です。
トッテナムは「ハイリスク・ハイリターン」
直近2試合で12失点しているトッテナムですが、スレガース監督は簡単な相手とは考えていません。
トッテナムについて、
「ハイリスク・ハイリターンのサッカー。それが彼女たちのアイデンティティ」
と評価。
積極的にボールを動かし、前へ出てくる従来のスタイルを継続する可能性がある一方、アーセナルの攻撃を止めるために戦い方を変えてくる可能性もあるため、「どちらにも対応できる準備が必要」としています。
ルッソのポジションについて
前節バーミンガム戦では、ブラックステニウスをCF、アレッシア・ルッソをトップ下に配置しました。
この起用についてスレガース監督は、ルッソが9番と10番の両方でプレーできることを改めて強調。
昨季自己最高の得点数を記録したシーズンでも両ポジションでプレーしていたとし、「どちらの位置からでもフィニッシュできる選手」と評価しています。
ただし監督は、最も重要なのは個々のポジションではなく、チーム全体として良いフィニッシュポジションへ選手を送り込めるかどうかだとしています。
4. 注目選手
アーセナル:カイラ・クーニー=クロス
今回アーセナルの注目選手として挙げたいのが、カイラ・クーニー=クロスです。
シーズン序盤からチーム全体が苦戦する中でも、比較的安定したパフォーマンスを続けています。
9月にはサポーター投票によるArsenal WomenのPlayer of the Monthにも選出されました。
前節バーミンガム戦でも中盤からボールを前進させ、ミドルシュートでゴールを狙う場面を作るなど、停滞する攻撃の中で積極性を見せました。
現在のアーセナルはリトル、マリオナ、マヌンら中盤の選手を欠いており、クーニー=クロスに求められる役割はさらに大きくなっています。
彼女の強みは、中盤の低い位置でボールを受けるだけでなく、前を向いて相手のライン間へパスを送り込めること。
トッテナムが前からプレッシャーをかけてくるのであれば、そのプレスを越えた後にクーニー=クロスがどれだけ前向きにボールを運べるかが、アーセナルの攻撃速度を上げる鍵になるでしょう。
また、今季はゴール前で積極的にシュートを狙う場面も増えています。
攻守をつなぐ役割だけでなく、攻撃の最後の局面にどれだけ関われるかにも注目です。
トッテナム・ホットスパー:ヴィクトリア・ペローヴァ
トッテナムからは、古巣対戦となるヴィクトリア・ペローヴァを選びます。
2023年1月からアーセナルでプレーしたペローヴァは、契約満了後の2026年6月にトッテナムへ加入しました。
新天地ではより攻撃的なポジションで起用され、ここまでWSL6試合で5得点1アシスト。
トッテナム加入後の公式戦全体でも8試合5得点2アシストを記録しています。
アーセナル時代には中盤でボールを運ぶ役割を担うことも多かったペローヴァですが、現在のトッテナムではより高い位置でプレー。
特にペナルティエリアへの遅れての侵入や、ライン間からゴール前へ飛び出す動きが大きな武器となっています。
今季序盤には5試合で5得点を記録するなど、トッテナムの攻撃を牽引。チャンスメイクでも高い数字を残しており、単なる得点役ではなく攻撃の中心となっています。
マーティン・ホー監督も古巣との対戦について、ペローヴァには普段とは違うモチベーションがあるだろうとしながらも、「特別なことをしようとするのではなく、自分自身のプレーをすること」が重要だと語っています。
よく知る元チームメイトを相手に、どのようなプレーを見せるでしょうか。
5. 試合の見どころ
① アーセナルはトッテナムの守備の脆さを突けるか
今回、最も大きなポイントになるのがアーセナルの得点力です。
トッテナムは直近2試合で、
London City Lionesses戦:1-6
チェルシー戦:2-6
と合計12失点。
さらに、トッテナムが喫した直近4回のWSLでの敗戦はいずれも5失点以上。これは同一チームとしてリーグ史上最長の記録となっています。
一方のアーセナルは121本のシュートを放ちながら5得点。
決定率4.1%はリーグ最低です。
数字だけを見れば、今回ほど得点力不足を改善する絶好の相手はいないようにも見えます。
しかしマーティン・ホー監督は、アーセナル相手にはボールを持たれ、長い時間ボックス内を守る必要があることも想定していると語っています。
トッテナムが普段通り前から来るのか。
それとも直近の大量失点とアーセナルのローブロック攻略の苦戦を考え、守備的に戦うのか。
アーセナルはどちらの展開にも対応する必要があります。
② 18得点のトッテナム攻撃陣をどう止めるか
守備では苦戦しているトッテナムですが、得点力はリーグ屈指です。
6試合18得点はマンチェスター・シティに次ぐ数字。
ペローヴァだけでなく、シグネ・ゴープセット、ドリュー・スペンス、オリヴィア・ホルト、マチルダ・ヴィンベルグなど、中盤から前線に得点へ関われる選手が揃っています。
アーセナルはマンチェスター・シティ戦、バーミンガム戦と、ボールを失った直後のカウンター対応に課題を残しています。
特にバーミンガム戦では警戒していたユルトレにトランジションから先制点を許しました。
トッテナムの攻撃的な姿勢はアーセナルにもスペースを与える一方、ボールロストの位置が悪ければ一気にゴール前まで運ばれる危険性があります。
攻撃時のリスク管理も重要になりそうです。
③ 中盤の主導権――クーニー=クロス対ペローヴァ
両チームの注目選手を挙げた通り、中盤の攻防も大きな見どころです。
アーセナルではリトル、マリオナ、マヌンが不在。
クーニー=クロスとスタンウェイにかかる負担は大きくなっています。
一方のトッテナムはペローヴァをより攻撃的に配置し、そこへゴープセットやスペンスらが関わることで多くの得点を生み出しています。
トッテナムの中盤は攻撃力が高い一方、直近の試合では相手に中央を突破される場面も見られています。
クーニー=クロスが相手のプレッシャーをかわし、前線へボールを供給できれば、アーセナルにとって大きなチャンスになるでしょう。
④ 攻撃のテンポは本当に変わるのか
スレガース監督が会見で明言した「より速く、予測不能な攻撃」。
ここ数試合のアーセナルに最も求められている部分です。
相手陣内までボールを運びながら、横パスを重ねている間に守備ブロックを整えられる。
結果として難しい位置からシュートを放つ。
ここまで繰り返されてきた攻撃パターンを、今回どこまで変えられるでしょうか。
トッテナムは前へ出てくるチームだけに、ボールを奪った直後や相手の守備陣形が整う前に攻め切ることができれば、大きなチャンスを作れる可能性があります。
今回の試合では単純な「勝った・負けた」だけでなく、アーセナルの攻撃速度に変化が見られるかにも注目したいところです。
⑤ 相性はアーセナル優位――しかし今季初めてスパーズが上位で迎えるダービー
過去のWSLノースロンドンダービーでは、アーセナルが圧倒的に優位です。
13試合で10勝2分1敗。
直近2度の勝利では、2025年2月に5-0、2026年3月には5-2と、ともに5得点を記録しています。前回対戦ではルッソが前半27分までにハットトリックを達成しました。
しかし、Tottenham Hotspur Stadiumでの直近5試合に限ればアーセナルは2勝2分1敗。
昨季の同カードも0-0に終わっており、アウェイでは必ずしも一方的な対戦ではありません。
そして今季は、WSL史上初めてトッテナムがアーセナルより上位でノースロンドンダービーを迎えます。
過去の相性よりも、現在の状態が問われる一戦です。
リーグ戦5試合未勝利という悪い流れを、最大のライバルとのダービーで断ち切れるでしょうか。
6. 予想スタメン
予想フォーメーション:4-2-3-1

GK
ミサ・ロドリゲス
DF
エミリー・フォックス
リア・ウィリアムソン
ロッテ・ウッベン=モイ
オナ・バトレ
MF
ジョージア・スタンウェイ
カイラ・クーニー=クロス
2列目
リサ・バウム
ジェラルディン・ロイテラー
オリヴィア・スミス
FW
アレッシア・ルッソ
※選手名の並びは右からの並びで表記
基本的にはバーミンガム・シティ戦から大幅なメンバー変更はないと予想します。ただしシステムは、ルッソを最前線に戻した4-2-3-1を選択しました。
GKはミサ。トッテナムが高い位置からプレスを仕掛けてきた場合には、彼女のビルドアップ能力を生かして回避したいところです。
筆者の願望も含まれますが、トップ下にはロイテラーを予想。ここまで出場時間は限られているものの、前節バーミンガム戦では狭いスペースでボールを受け、攻撃をつなぐ能力を見せました。
また、ベンチにはトッテナム戦と相性の良いフォードも控えており、試合展開に応じた攻撃の変化にも期待したいところです。
7. 筆者の予想・見解
予想スコア:
アーセナルウィメン 3-2 トッテナム・ホットスパー
勝負のポイント:試合の立ち上がりから主導権を握れるか
UWCL出場権を狙える位置につけるトッテナムは、ホームでのノースロンドンダービーということもあり、立ち上がりから積極的に出てくる可能性が高いでしょう。
アーセナルが相手の出方をうかがい、受けて構えるような入り方をしてしまえば、そのままトッテナムに主導権を握られる可能性があります。
そうさせないためにも、アーセナル自身が開始直後から高い強度とモチベーションを示し、ボールの有無にかかわらず試合を支配しにいく姿勢が求められます。
期待する選手:ジェラルディン・ロイテラー
今季新加入したものの、なかなか出場機会に恵まれないロイテラー。前節は20分ほどの出場時間を得て、狭いスペースでボールを受けて攻撃をつなぐ上手さや、機動力の高さを見せるシーンもありました。
これまでのスレガース監督の起用傾向から、ブラックステニウスを先発させる可能性が高いと思われますが、筆者個人としてはロイテラーをトップ下で起用してルッソをCFに配置するフォーメーションも見てみたいです。
懸念点:後がない状況で、焦りが生まれないか
ここまでのWSLでの結果は、多くのファンが開幕前に期待していたものとは大きくかけ離れています。
特に得点力不足は、心理的な「焦り」の影響を受けやすい部分です。「決めなければ」と意識しすぎることでシュートの判断が慎重になったり、逆に力が入りすぎたりすることは、フットボールでは十分に起こり得ます。
また、焦りが生まれるのは選手だけではありません。スレガース監督自身が結果を求めるあまり、選手起用や交代策を頻繁に変えるようになれば、その迷いがピッチ上の選手たちに伝わる可能性もあります。
苦しい状況だからこそ、チームとして冷静さを失わないことも重要です。
総評:ファンはこれ以上待てない。ダービーで勝利を掴むのみ
女子サッカーにおけるノースロンドンダービーの歴史は、男子に比べればまだ浅いものです。それでも両クラブのファンにとって、「絶対に負けたくない相手」であることに変わりはありません。
ここまでの成績を考えれば、この試合でも勝ち点を落とすようなことがあれば、スレガース監督の進退を含めてクラブに何らかの「変化」を求める声はさらに強まるでしょう。
一方で、逆境は流れを大きく変えるきっかけにもなります。守備に不安を抱えるトッテナムを相手に複数得点を奪ってダービーを制することができれば、得点に苦しんできた攻撃陣が自信を取り戻す大きな契機になるはずです。
悪い流れを断ち切る舞台として、ノースロンドンダービー以上の試合はありません。
8.出典・参考
Arsenal公式「Preview: Tottenham Hotspur v Arsenal Women」
Arsenal公式「Every word of Renée's pre-Spurs press conference」
Tottenham Hotspur公式「Presser Points | Spurs vs Arsenal, Women’s Super League | Martin Ho」
