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1. 試合基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | Barclays Women's Super League 2026-27 第9節 |
| 対戦カード | リヴァプール vs アーセナルウィメン |
| 日時 | 2026年11月8日(日)21:00 ※日本時間 |
| 会場 | Anfield |
| 配信 | U-NEXT |
2026-27シーズンのWSL第9節。
現地時間11月8日(日)12時、アーセナルウィメンはAnfieldでリヴァプールと対戦します。
日本ではU-NEXTでライブ配信予定。WSL公式の放映情報でも、日本での配信先としてU-NEXTが案内されています。
2. この試合の位置づけ
アーセナルはここまでWSL8試合を戦い、2勝4分2敗の勝ち点10。
土曜日に行われた他会場の結果を受け、第9節のリヴァプール戦を前に8位につけています。
前節アストン・ヴィラ戦では試合を支配しながら25分に先制を許し、85分のルッソのゴールでようやく1-1に追いつきました。
トッテナム、ベンフィカに連勝して復調の兆しを見せていただけに、再び勝ち点を落とす結果となりました。
リーグに限れば直近7試合でわずか1勝。これはアーセナルにとってWSL史上最も少ない7試合での勝利数です。また、開幕8試合で勝ち点10という成績も、本来期待されていたものからは大きく離れています。
一方のリヴァプールは2勝2分4敗の勝ち点8で11位。
開幕4試合ではチャールトンとエヴァートンに勝利し、2勝1分1敗とまずまずのスタートを切りました。しかし、その後はマンチェスター・ユナイテッド、アストン・ヴィラに敗れ、London City Lionessesとは2-2。前節ウェストハム戦では1-4の大敗を喫しました。
リーグ戦では4試合未勝利。公式戦全体でも5試合勝利がなく、こちらも決して良い状態とは言えません。
第8節終了時点の成績は、
アーセナル:8得点9失点
リヴァプール:13得点14失点
と対照的。
リヴァプールはアーセナルより得点している一方、失点も多くなっています。
両チームともに勝利が欲しい状況ですが、アーセナルにとってはこれ以上上位との差を広げられないためにも、勝ち点3が強く求められる一戦です。
また、ヴィラ戦から今回は丸1週間の準備期間を確保できました。
スレガース監督が問題視していた「試合の入り」や「エネルギー」を改善するための時間は十分にあったはずです。
その成果をAnfieldで示せるでしょうか。
3. プレスカンファレンス
※以下のプレスカンファレンス内容は、Arsenal公式サイトに掲載された試合前会見をもとに、当ブログで日本語に要約・整理しています。
アストン・ヴィラ戦後に指摘した「エネルギー」について
スレガース監督は、ヴィラ戦後にチームのエネルギーが不足していたと指摘しました。
今回の会見では、それを選手だけの問題とはせず、チームを取り巻く環境を作る自分自身にも責任があると改めて説明しています。
この1週間のトレーニングでは、どのようなプレーや行動によってチームのエネルギーを生み出すのかを具体的に確認。
選手たちも積極的に意見を出しており、直近2〜3回のトレーニングでは非常に良いエネルギーが感じられたとしています。
ローブロックを敷く相手への対応について
今季のEmirates Stadiumでは、相手が低い位置に守備ブロックを作ることでアーセナルを苦しめる試合が続いています。
スレガース監督は、一つのチームがその方法で結果を得たことによって、他クラブにも「同じ戦い方でアーセナルを止められる」という自信を与えてしまった可能性があると分析しています。
ヴィラ戦でも相手はわずかなチャンスから得点し、その後は人数をかけてゴール前を守りました。
アーセナルとしては、ボールを動かすスピード、ファイナルサードでのタッチ数、選手のポジショニングなどを改善し、相手に守備を整える時間を与えないことが重要だとしています。
リヴァプールへの警戒
今回のリヴァプールは、これまでホームで対戦してきた相手とは異なるタイプになる可能性があります。
スレガース監督は昨季Anfieldで対戦した際、リヴァプールが前半から勇敢かつ積極的にプレスを仕掛けてきたことを振り返っています。
ボール保持時、非保持時ともに組織されており、今季は新加入選手も加わったことで、よりバランスの取れたチームになっていると評価。
相手のプレスを素早く外し、スペースが生まれた瞬間に攻撃を加速できるかが重要になるとしています。
チームニュース
スレガース監督によれば、アストン・ヴィラ戦から大きな変更はありません。
ダフネ・ファン・ドムセラールは膝の負傷から回復を進めており、今週はU-21の試合で45分間プレーしましたが、トップチームへの復帰にはもう少し時間が必要となる見込みです。
マリオナ・カルデンティ、ミシェル・アギェマン、クロエ・ケリー、ケイティ・リード、セリーナ・チェルチは引き続き欠場します。
一方、フリーダ・マヌンは起用可能な状態となっています。
今後の試合はスレガース監督にとって「正念場」なのか
今後の数試合が自身の進退を左右する期間になるのではないかという質問に対し、スレガース監督は「すべての瞬間が重要」だと回答しています。
リヴァプール戦の後にはUWCLでバルセロナ、リーグではLondon City Lionesses、さらにOL Lyonnesとの試合が控えています。
難しい試合が続くものの、先を見すぎるのではなく、まずはリヴァプール戦に集中する姿勢を示しました。
現在のチームは本来の力を発揮できているか
スレガース監督は「まだこのチームにはもっと力がある」と認めています。
良いプレーや改善の兆しは見えているものの、それを高いレベルで安定して再現できていないことが現在の問題です。
過去の結果を必要以上に引きずるのではなく、そこから得られた情報を今後の改善につなげていきたいとしています。
4. 注目選手
アーセナル:オリヴィア・スミス
今回アーセナルの注目選手として挙げたいのが、オリヴィア・スミスです。
今季のWSLでは7試合に出場し、5試合に先発。ここまで1得点を記録しています。
唯一のゴールはバーミンガム・シティ戦。ペナルティエリア外から豪快なシュートを決め、チームを敗戦から救いました。
最近はCFとして起用される試合が増えていますが、前節ヴィラ戦では5バックによって背後のスペースを消され、スミスのスピードを生かすことが難しい展開となりました。
今回のリヴァプール戦では状況が変わる可能性があります。
リヴァプールは高い位置から積極的にプレスを仕掛け、高い最終ラインを形成することもあるチームです。
アーセナルがそのプレスを突破できれば、最終ラインの背後にはスミスが得意とするスペースが生まれる可能性があります。
また、スミスにとってリヴァプールは古巣。
リヴァプールで活躍した後、2025年夏にアーセナルへ加入しました。昨季のWSLでも5得点3アシストを記録するなど、加入初年度から攻撃陣の重要な選択肢となっています。
ここ数試合ではゴールから遠ざかっていますが、今回のようにスペースが生まれる可能性のある相手だからこそ、彼女の縦へのスピードと積極的な仕掛けに期待したいところです。
リヴァプール:長野風花
リヴァプールからは、日本代表MF長野風花を選びます。
長野は今季ここまでWSL8試合すべてに先発。
698分に出場し、2アシストを記録。アシスト数はチーム最多タイとなっています。
また、10月のLondon City Lionesses戦ではリヴァプールでの公式戦通算100試合出場を達成しました。
ガレス・テイラー監督も同試合での長野について高く評価しており、リヴァプール中盤の中心的な存在となっています。
長野の魅力は、守備とビルドアップの両方へ関われることです。
第8節前の時点では18タックル、45回のボールリカバリーを記録。さらにパス成功率87.9%と、ボール保持時にも高い安定感を見せています。
アーセナルとしては、長野に簡単に前を向かせないことが重要です。
長野が中盤でフリーになれば、素早く前線へボールを送り込み、アーセナルのプレスを無効化される可能性があります。
一方でアーセナルが高い位置で長野へのパスコースを制限できれば、リヴァプールのビルドアップを停滞させることもできるでしょう。
クーニー=クロス、スタンウェイ、あるいはリトルを含めたアーセナル中盤との攻防に注目です。
5. 試合の見どころ
① 「試合の入り」を本当に改善できるか
今季アーセナルが最も繰り返している問題の一つです。
開幕8試合のうち5試合で先制点を許しており、すでに今季WSLで192分間ビハインドの状態を経験しています。
これは昨季1シーズンの178分をすでに上回る数字です。
ヴィラ戦後、スレガース監督は試合開始時のエネルギー不足を強く問題視しました。
今回は中3日などの過密日程ではなく、丸1週間準備できています。
それでも再び立ち上がりから受け身になり先制を許すようであれば、単純な疲労だけでは説明できません。
この1週間で何を改善したのか。
最初の15〜20分は特に注目したいところです。
② リヴァプールのハイプレスを突破できるか
リヴァプールは今季平均60%のボール保持率を記録。
これはチェルシー、アーセナルに次ぐリーグ3位の数字です。
つまり、これまでアーセナルが苦しんできた「最初から自陣へ引いて守る相手」とは少し異なります。
ガレス・テイラー監督のチームは高い位置からプレスを仕掛け、高い最終ラインを形成しながら、自分たちでボールを持つことも狙います。
アーセナルとしては、ミサ、CB、中盤を使って最初のプレスを外せるかが重要です。
そこで前を向くことができれば、フォードやスミスが走り込めるスペースも生まれます。
逆に自陣で不用意にボールを失えば、リヴァプールにとって絶好のショートカウンターの機会となるでしょう。
③ オリヴィア・スミスのスピードを生かせるか
前節ヴィラ戦では、スミスが最前線に入りました。
しかし相手が低い位置に人数を揃えたことで背後のスペースがなく、スミスの最大の特徴を生かすのが難しい試合となりました。
リヴァプールが普段通り前から出てくるのであれば、今回は逆にスミスを生かしやすい条件になる可能性があります。
問題は、アーセナルが彼女へボールを届けるまでのスピードです。
プレスを突破した後も横パスを重ねてしまえば、その間にリヴァプールは守備陣形を整えることができます。
ボールを奪った瞬間、あるいは相手のプレスを外した瞬間に、どれだけ早く縦へ攻められるか。
スミスの能力だけでなく、周囲の選手の判断もポイントになりそうです。
④ 長野風花を中心とする中盤の主導権争い
両チームともボールを保持することを好むため、中盤の争いは非常に重要になります。
リヴァプールでは長野が全8試合に先発し、ビルドアップとボール奪回の両面で中心的な役割を担っています。
アーセナルではクーニー=クロスとスタンウェイのコンビが続いていますが、リトルもコンディションを取り戻しています。
特にヴィラ戦ではリトルの途中出場後に中盤が安定し、ルッソをより前へ移すことも可能になりました。
今回スレガース監督がどの組み合わせを選択するのか。
そして、長野にどれだけ自由を与えずに試合を進められるかは、大きなポイントです。
⑤ リヴァプールの不調を過小評価しない
リヴァプールはリーグ戦4試合未勝利。
前節はウェストハムに1-4で敗れており、守備には明確な課題があります。
しかし、Anfieldでのホームゲームという点は軽視できません。
リヴァプールは直近11試合のWSLホームゲームではわずか2敗と、ホームでは比較的安定した結果を残しています。
一方で、アーセナルとの相性は非常に悪く、WSLでアーセナルをホームに迎えた過去13試合はすべて敗戦しています。
昨季最終節のAnfieldでも、ブラックステニウス、カルデンティ、ルッソのゴールによってアーセナルが3-1で勝利しました。
相性ではアーセナルが圧倒的に優位。
だからこそ、現在の順位や状態を考えれば確実に勝利へ結びつけたい試合です。
⑥ アーセナルの「シュート数」と「得点」のギャップ
今季アーセナルはリーグ3位となる163本のシュートを記録しています。
一方、得点はわずか8。
シュート決定率4.9%はWSL最下位です。
平均20本以上のシュートを放ちながら得点につながらないという問題は、今季序盤から続いています。
ヴィラ戦ではシュートへの積極性そのものには改善が見られました。
次に必要なのは、単純に本数を増やすことではなく、よりゴールへつながりやすい位置・状態でシュートを打つことです。
リヴァプールはここまで14失点。
相手守備にスペースが生まれた瞬間を逃さず、ここまでのローブロック相手とは異なる攻撃を見せられるか注目です。
6. 予想スタメン
予想フォーメーション:4-2-3-1

GK
ミサ・ロドリゲス
DF
オナ・バトレ
リア・ウィリアムソン
エリザ・ドゥ・アルメイダ
テイラー・ハインズ
MF
ジョージア・スタンウェイ
カイラ・クーニー=クロス
2列目
リサ・バウム
キム・リトル
オリヴィア・スミス
FW
アレッシア・ルッソ
※選手名の並びは右からの並びで表記
少し筆者の願望を込みで予想しました。
GKは引き続きミサ。チームとして失点は少なくないものの彼女自身のパフォーマンスは悪くありません。
最終ラインはヴィラ戦から左CBをキャトリーに代えてドゥ・アルメイダを起用。これはヴィラ戦でキャトリーが途中交代したことを考えての予想で、キャトリーが万全ならば今まで通りキャトリーを起用するでしょう。
前線は少し願望込みでルッソを最前線で起用するシステムを期待しています。スミスも本職のウィングで起用してほしいところです。
7. 筆者の予想・見解
予想スコア:
アーセナルウィメン 2-0 リヴァプール
勝負のポイント:ポゼッション争い――プレスを外した後に前進できるか
リヴァプールもボールポゼッションを重視するチームです。
アーセナルとしては、最終ラインからのビルドアップでリヴァプールのプレスにはまらず、相手の第一列を越えた後にどれだけ素早く前進できるかが重要になるでしょう。
特にウィリアムソンは長短のパス精度が高く、前線の選手へ直接ボールを届けることができます。
スミスやフォードが相手最終ラインの背後へ走るタイミングに合わせてロングボールを織り交ぜることができれば、リヴァプール側も簡単には最終ラインを高く保てなくなります。
相手のラインを下げることができれば、中盤にはクーニー=クロス、スタンウェイ、リトルらがプレーできるスペースも生まれるでしょう。
大切なのはボールを保持すること自体を目的にしないこと。
どこで相手を引きつけ、どこで一気に前進するのか。その意図をチーム全体で共有できるかがポイントになりそうです。
期待する選手:キム・リトル
ヴィラ戦で久しぶりにトップ下の位置に入ったリトル。キャリアを通して経験豊富なポジションでもあり、持ち前のキープ力や狭いスペースでの判断力を発揮していました。
筆者個人としてはカルデンティが不在、かつマヌンも復帰したばかりということもありリトルのトップ下起用は試合中起こり得ると思います。苦しい時にこそ力を発揮する頼れるキャプテンですので攻撃陣を牽引してほしいところです。
懸念点:ルッソをどの位置で最大限に生かすか
スレガース監督はここ数試合、ルッソをトップ下に近い位置で起用しています。
スミスを最前線に置き、その背後からルッソがペナルティエリアへ侵入する形は、トッテナム戦やベンフィカ戦では効果を発揮しました。
一方、ヴィラ戦のように相手が低い位置でスペースを消す展開では、ルッソがゴールから遠い位置でプレーする時間が長くなり、彼女の得点力を十分に生かせない場面もありました。
筆者としては、ルッソをトップ下で起用すること自体が問題なのではなく、相手の守備方法や試合展開に応じて9番へ戻す柔軟性が必要だと考えています。
リヴァプールが高いラインを敷けばスミスのCF起用が生きる可能性がありますが、相手が途中から守備ブロックを下げた場合には、ルッソを最前線へ移す選択肢も早い段階で検討してほしいところです。
総評:立ち上がりから「戦う姿勢」をプレーで示せるか
ここ数試合のアーセナルは、試合の立ち上がりに不安定さを見せています。
十分な強度を出せないまま相手に主導権を渡し、先制点を許したことで自分たちから難しい試合展開を作ってしまう場面が続いています。
今回求めたいのは、単なる精神論としての「気持ち」ではありません。
最初のプレス、球際のデュエル、セカンドボールへの反応、ボールを失った直後のカウンタープレス。そうした一つ一つのプレーで、開始直後からリヴァプールを上回る姿勢を見せる必要があります。
ヴィラ戦から今回は1週間の準備期間がありました。
スレガース監督自身も、この期間にチームのエネルギーをどのように生み出すのか選手たちと話し合ってきたと明かしています。
だからこそ、今回は「準備期間が足りなかった」という言い訳はできません。
苦しい時期だからこそ、まずはフットボールの基本となる部分で相手を上回ること。
そのうえでアーセナル本来の技術や攻撃力を発揮できれば、チームが再び上向くきっかけになるはずです。
8. 出典・参考
Arsenal公式「Preview: Liverpool v Arsenal Women」
Arsenal公式「Every word of Renée’s pre-Liverpool press conference」
Liverpool FC公式「Gareth Taylor's squad fitness update ahead of LFC Women return to Anfield」
Liverpool FC公式「WSL | 10 stats to know about Liverpool v Arsenal at Anfield」
